子どもの健全育成や若者の自立支援活動

ご紹介

NPO法人 余市教育福祉村は、豊かな自然と農的空間を舞台に、人々の多様な交流を通じ、「学び育み合う」、「豊かに生きる」ことをテーマに、子どもたちや若者の自由でのびやかな成長を願うと共に、すべての世代にとって健やかで希望が膨らむ会員の皆様の活動を受け入れているユニークな場所です。土の上に立ち、風や草の匂い、日の光を感じながら、めぐる自然の神秘に五感を開けば、ワクワクとセンスオブワンダーの芽が育つ。汗を流し、小さな芽に気付き開花や実りを一緒に喜び合う。そんな普遍的で目に見えない大切なことも、未来に残していけるようみんなで支え合います。日常からちょっと離れて、足をのばしてみませんか?あなたの心にもイーハトーブが広がるかもしれません。

ご挨拶

理事長 平野 直己

 余市教育福祉村は、四半世紀前に、子どもや若者がのびのびと学び育つ場所を作ろうと有志の方々が立ち上げた「コミュニティ(人と人との出会いの場所)」です。初代の理事長である菊地大さんからそのバトンを受け取って、私は2019年から理事長になりました。
 私は、臨床心理士として、病院や学校や刑務所などで、いろんな境遇にある方々とお会いし、話を聴き、いろんな「心」と出会い、触れる仕事をしてきています。
 そこで痛感したことは、心というのは大事なものであることには、誰も否定はしないけれど、どこに行っても何より大切なものとしては、扱ってもらえないところがあるということです。
 学校では、登校や勉強や進学すること・させることが、まず優先され、時に心は「それどころじゃない」と後回しにされてしまうことが起こります。それで、むなしくなっている子どもや教師や保護者に会いました。
 病院では、生命を維持することが何より優先され、その人の心の痛みや苦しみは不要不急なものと扱われる場面にも出会ってきました。
 そして、刑務所では、被害者の心をないがしろにしてきた人たちもまた、心をないがしろにされて生きてきた事情をもっていたりすることを知ってしまいました。
 ここだけは、この時間だけは、あなたの心をまず最初に大事にしてくれるようなところは、今、一体どこにあるのでしょうか。それがここです、と言える場所をつくるのが、私のライフワークですし、余市教育福祉村は、まさに「ここ!」なのです。
 この村には、多世代のユニークな人たちが交流する「丘」があります。世代を越えて、立場も、障がいも越えて、ともに生きていくことは、決して簡単なことではありません。それでも、それぞれの思いを大事にしようともがきながら、この場所を守っている仲間がいます。
 この村には、子どもたちの歓声が聞こえる「農地」があります。家族づれで、果樹の収穫を手伝ってくれたり、子どもたちがのびのびと走り回る姿をみながら、ここでなら「あれしちゃダメ」「これしちゃダメ」と子どもに言わずにほっとしながら飲むことができるハーブティがあります。
 この村には目に見えなくても形もないけれど私たちを慰撫してくれる「風」があります。丘の上に立って、海から丘に昇ってくる風を思い切り吸うだけで、力を与えてくれる何かが身体の中にみなぎります。
 この村には、私たちを包み込んでくれる「雪」があります。雪は冬の間、果樹を寒さから守ってくれます。栗の樹から飛び降りても、雪が子どもを包み込んでくれるので怪我などしません。今だけは、いろんな雑音からも、見たくないものからも守ってくれる雪があります。
 一度遊びにいらしてください。その意味がわかってもらえると思います。そして、この村の仲間になって、一緒に支えていただけると幸いです。このバトンを一緒に次の世代に渡したいのです。

理事長 平野 直己

この丘に集う

 今から25年以上前のことです。登町の農家を訪問し、雪景色の林檎果樹園を見ながらここに《共同の場》を創る運動が構想されました。当時、札幌では“子ども達が主人公=学び成長する主体者、人間形成的教育”を理念に市民による学校設立をめざす市民運動(北海道自由が丘学園)が始まっていました。創立メンバーの多くは60代、その一人が村創始者の故菊地大さんでした。地元に縁のある元小学校教師の菊地さんが知人に呼びかけ、1995年に農地4.6ha取得と共に「農地/農業再生をしながら子ども・若者のふれあい体験や交流の場」としてここはスタートしました。
 村は、引継いだ納屋や石室を使いながら野菜・軽果樹/ブリーベリーなどの作物つくり、ログハウスやビニールハウス・プレハブ事務所を整え、’99年にNPO法人化と「余市ふれあい農場」を設立しました。
 その後も、アロニア・ヤーコン・トマトやハーブ栽培などを拡げながら、教育・福祉講演会、秋の収穫祭を毎年開催。また近隣の幼稚園・保育所、高校生や札幌のフリースクール・ことばを育む親の会などが出入りし、子ども達の農業・自然体験フィールドや学生・大人の研修交流の場として現在に至ります。(事業は貸農園・若者自立支援の「ビバハウス」なども併設。また農作物は直売・スーパー卸しや加工販売/トマトジュース・ハーブソルト・・)これらの活動は会員むけ月次「のぼり通信」記事となって発信普及を図っています。
 ‘05年の10周年は記念誌『この丘に集う』発行。更に’15年の20周年集会には地元や札幌の支援者・協力団体などが多数集いました。自然環境に恵まれた余市町で、地域に根ざし多くの人々とながりながら、この村は約300名の会員組織として発展しています。
今の時代は競争や格差などにより、人間的に生きづらい状況があります。私達は定款に掲げる「青少年の健全育成と自立支援」を基本に、高齢者や障碍者など誰もが希望をもって暮らせるように、これからも農業をベースとした交流の場づくりを進めていきます。

顧問 吉野 正敏

村のあゆみ

1994 10月 余市教育福祉村建設 準備委員会発足
1995 2月 余市町登町に 4.6ヘクタールの農地取得
5月 余市教育福祉村発足 総会 会員50名
10月 「村 びらき」 第1回収穫祭
12月 ログハウス完成
1996 5月 野の花畑(25種) できる
6月 炭焼窯完成
1997 2月 学習会「自然と私たち」 市川守弘さん
4月 学習会「農業で人づくり町づくり」太田原高昭さん
5月 ブルーベリー栽培はじまる
10月 梨の木オーナー制度 はじまる
1998 4月 教育講演会「人間が育つということ」 田中孝彦さん
7月 樺沢吉郎さんよりビニールハウス寄贈
1999 6月 事務所完成(プレハブ2F)
7月 NPO法人「余市教育福祉村」認証
8月 有限会社「ふれあい 農場」発足
2000 6月 ブルーベリー 500本増殖
8月 D型ハウス完成
9月 青少年自立支援センター「ビバハウス」開設
2001 1月 研修会「障害児(者)教育の実践と理論」
4月 共同作業所「あおぞら」開設(2007年閉鎖)
2002 3月 農業問題講演会「食料・農業の展望を開く」 太田原高昭さん
4月 アロニア苗80本移植
8月 実践報告と講演会  講師 鈴木秀一さん
9月 大滝村のアロニア視察
2003 4月 学習講演会「後ずさりしつつ未来を歩む」 庄井良信さん
5月 トマト、ハウス栽培開始、ヤーコン栽培開始
2005 3月 10周年の集い
2006 1月 『のぼり通信 №100発行』
2月 石倉・下屋の火災
6月 石倉・下屋の改修工事
2007 5月 イベント広場ができる
9月 ミニトマトジュース・ぶどうジュース(夕日の丘)発売
2008 1月 センターハウス内部改装
2009 3月 農業問題講演会「安全な食料と住み続けられる地球を」桑山弥寿男さん
3月 ヤーコンピクルス発売
4月 農水省「教育ファーム」モデル実証地区となる
6月 トマトハウス2号棟完成
8月 新事務所完成
2010 6月 「北の大地のめぐみ 愛食総合推進事業」指定
8月 「農の雇用事業」研修生受入れ
9月 「地域貢献活動雇用拡大助成」受入れ
2011 2月 第1回冬まつり開催
2012 6月 写真家佑木瞬さん写真展『団結の樹』開催
2013 8月 センターハウス脇に、たき火コーナーができる

お気軽にお問い合わせください TEL 0135-23-7236

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